Interview.03

高杉信匡

Nobumasa Takasugi

2002年  3月 慶應義塾大学法学部政治学科卒業
2006年  3月 同志社大学大学院司法研究科卒業
2007年  12月 弁護士登録(第一東京弁護士会)/当事務所入所

どうして当事務所で
働くことを選んだのか

採用担当であった先生方の仕事に対する熱意に惹かれたことに加えて、当時は、東京事務所での新卒採用を実施していなかったにもかかわらず、東京事務所での受け入れを快諾してもらえたことなど当法人の懐の深さに魅力を感じて、当法人で働くことを選択しました。当法人が取り扱っている業務内容の幅が広く、またクライアントも個人から大企業や中小企業に至るまで本当に様々であり、業種も多種多様であることから、色々な案件を経験することができ、案件を通じて、弁護士としての能力などの研鑽を積むことができると考えました。1年目のアソシエイトであっても等しく弁護士として、クライアントや相手方との間で直接やり取りを行い、議論に参加するなど早いうちから実践形式で関与できる点にも魅力を感じました。

当事務所はどのような事務所か

個を尊重し、自主性に重きを置く事務所であると考えています。普段から自由闊達な意見交換が行われ、雑談を含めて賑やかな事務所であると思っています。拠点としては大阪事務所と東京事務所とで距離的には離れていますが、Web会議が普及する以前から、一つの事務所として活動しており、セクショナリズムとは無縁の組織であるとの認識です。西日本の案件を取り扱うときには、大阪事務所所属の弁護士と一緒に取り組むこともあれば、その逆もあり、東京・大阪間での交流は適宜必要に応じて行われています。そうした業務の実態に示されているとおり、シンプルかつフラットな組織であるため、個が埋もれることなく、個を伸ばし、光らせることができる事務所だと考えています。

現在はどのような業務、案件に携わっているか。
また取扱いの多い分野の案件はどのようなものか

M&A案件や事業再生案件を主として取り扱っております。案件の当事者としては、上場会社が関与している案件が全体の3割程度を占め、その残りが中小規模の非上場会社が当事者となっています。ディールサイズ(取引金額の規模)としては、数億円から数十億円が多く、最近は1億円前後の小規模案件の数も増えてきているとの印象です。数百億円の大規模案件も数こそ少ないものの実績を積み上げているところです。
売手側・買手側、再生債務者側・スポンサーのいずれの側の案件も手広く取り扱っており、具体的な業務内容としては、法務デューディリジェンスの実施、基本合意書や譲渡契約書に関する交渉及び作成支援業務、クロージング支援、Post Merger Integration(PMI)における法務アドバイザリー業務を中心に行っています。 近年、M&A分野は小規模~中規模の案件が増加傾向にあり、それに伴って、訴訟・紛争に発展した案件についてのご相談も増えている印象です。
事業再生案件についても、私的整理案件やその前段階での支援業務をこちらも小規模~中規模の案件を中心に幅広く対応しております。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行や為替影響などにより事業環境が悪化しており自力での再生が難しく、スポンサーの探索及び実行を支援する案件が増えています。

どのような人に当法人へ
入所していただきたいか

課題の発見及び解決に向けて粘り強く、真摯に取り組める方に入所していただきたいと考えています。相手の話を聞き、理解し、自分の考えを整理して伝えるというコミュニケーション能力の高さは、案件や事件の種類を問わず、必須のスキルと考えています。また、論理を一個一個丁寧に積み上げる忍耐力や持久力、与えられた状況の中での決断力が求められる場面も多いので、そうした素養のある人と一緒に仕事をしたいと思っています。

出向を経験されていると伺ったが、
それらの経験は現在の業務に
どのように活かされているか

2012年5月から2017年6月までの5年間、政府系投資ファンドに出向し、事業再生支援やファンド業務に従事しておりました。出向期間中は、弁護士としての職務に従事していたというよりも、プロジェクトマネージャーとして投資案件の初期的な分析や選定、デューディリジェンスの実施及び事業再生計画の策定、並びに金融機関交渉などの投資実行に至るまでの現場責任者として稼働しておりました。弁護士や会計士を含むチームで動いており、また、投資候補先に対するデューディリジェンスでは外部専門家に協力いただくなど、様々なバックグラウンドやスキルを持っている人と一つの目標に向かって共同作業を行うことが出来たのは得難い経験であったと考えています。
出向期間中に苦楽を共にしたチームメンバーや関与していた案件を通じて知り合った方々には、帰任後も公私ともに大変お世話になっています。また、組織の一員として社内外の業務を執行することの難しさを経験できたこと、各分野の専門家に対して仕事を依頼する立場で関与できたことは、事務所の中では経験することが難しいため、出向を通じて得られた貴重な経験であったと考えています。
また、出向先から事務所に復帰する際に、改めて自分が所属する事務所を外から見ると、若手中堅の弁護士の活躍や事務所内外での自由闊達な発言は、他の事務所には見られない良さであると再認識しました。加えて、当初予定されていた2年を遥かに超え、5年もの間、事務所を離れていたにもかかわらず、復帰を快く認めてくれたことに事務所の温かみも感じることができました。出向を通じて、事務所の良さを再認識し、復帰できたことは良い経験であったと思っています。
今後は、出向での経験を活かし、弁護士としての活躍の場を広げていきたいと考えています。

弁護士を目指している方や、
当法人への入所を検討されている方へのメッセージ

弁護士は、最後には自分の名前で仕事をする側面があることから、得られた結果や評価が直接自分に返ってくる点に特徴があると考えています。その重圧に耐えながら、依頼者のために前へと進む道を切り開くことこそが、弁護士としてのやりがいや面白さに繋がると思っています。事務所はそこに所属する弁護士が活躍できるために必要な共通の基盤であり、切磋琢磨しつつも喜びを分かち合える集合体であると考えているので、当法人に入所いただいた際には一緒に活躍の場を広げられるように頑張りたいと考えています。