トピックス
2014年10月31日
YGLPCメールマガジン第29号(2014年10月31日発行)
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弁護士法人淀屋橋・山上合同
★ YGLPCメールマガジン第29号 ★
〜 特許異議の申立て制度の創設
その他2記事〜
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今号の目次
1. 平成26年特許法改正 〜特許異議の申立て制度の創設〜
2.労働法最前線
〜長時間労働削減など「働き方改革」について、厚労省が本格始動!?〜
3.YGLPC連続セミナー開催のお知らせ
〜『改正労働契約法及び改正パートタイム労働法に対する実務対応』〜
過去のバックナンバー
https://www.yglpc.com/wp/mailmag/index.html
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【平成26年特許法改正】
〜特許異議の申立て制度の創設〜
平成26年5月14日、「特許法等の一部を改正する法律」(平成26年法律第36号)が公布されました。
現在未施行ですが、平成27年5月までには施行されることになっています。施行日が近づいており、かつ実務的に重要な改正ですのでご紹介いたします。
実は平成15年改正以前にも、特許異議申立制度が存在していたのですが、無効審判に統合されて廃止されてしまいました。今回は旧制度の復活ということになります。
特許掲載公報の発行の日から6か月に限り、何人も請求できるという点は旧制度同様ですが、以下の違いがあります。
1 申立書の要旨変更が可能な期間の短縮
旧制度では、異議申立期間(特許掲載公報発行日から6月)内であれば、申立書の要旨変更(例えば、進歩性なしを異議理由としていたのに、記載要件違反を追加する場合など)が可能でしたが、新制度では、審理の効率化を図るために、申立期間内であっても、取消理由通知が出た後は申立書の要旨変更となる補正は認められないようになりました。
2 全件書面審理
旧制度では書面審理で行われることがほとんどでしたが、口頭審理もありえたため、仮にダミーで申立てしていたとしても当事者が出ていくことになり、申立人が特許権者側に分かってしまう(或いは容易に推測されてしまう)という不便がありました。
新制度では、このような制度の使いにくさを改善し、全件書面審理とすることにしました。
3 異議申立人への意見提出機会の付与
旧制度では、異議申立後は、特許権者と特許庁との間で審理が進められて申立人が関与することはできませんでした。
新制度では、特許権者による訂正請求があった場合には、申立人にも意見提出の機会を認めることになりました。
なお、異議申立制度の創設に伴って、無効審判は利害関係人のみが請求可能となります。
このように、旧制度よりも使い勝手の良い異議申立制度が復活して、無効審判請求は少しハードルが上がることになりますので、他社特許の成立を妨げたい会社にとっては公開段階から公知文献を十分に調査し、特許異議申立制度を活用する必要があることになります。
これまで以上に他社特許のウォッチが重要になってくるものと思われます。
<この記事に関するお問い合わせ先>
弁護士 野中 啓孝
TEL: 06-6241-4164
E-mail:h-nonaka@yglpc.com
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【労働法最前線】
〜長時間労働削減など「働き方改革」について、厚労省が本格始動!?〜
我が国においては長時間労働者の割合が高く、また年次有給休暇の取得率も低い水準にとどまっており、長時間労働の削減や働き方の見直しに向けた対応の強化が喫緊の課題となっていることや、平成26年11月1日に過労死等防止対策推進法が施行される予定であることを受けて、塩崎恭久厚生労働大臣は、同年10月9日、長時間労働の抑制による過重労働解消や休暇取得促進をはじめとした「働き方改革」に向けた要請文を、日本経済団体連合会会長に手交しました。
この要請書では、厚生労働大臣を本部長として同年9月30日に設置された「長時間労働削減推進本部」が、
(?)著しい過重労働や賃金不払残業等を行う企業の撲滅に向けた監督指導の強化と、
(?)休暇の取得促進をはじめとした「働き方の見直し」に向けた企業への働きかけの強化、
を2つの柱として取り組むことが明記されています。
具体的には、同年10月を「年次有給休暇取得促進期間」として、全国の労使団体や個別企業労使に対し、来年度の年次有給休暇の計画づくり時期を捉えた集中的な広報を実施し、同年11月を「過重労働解消キャンペーン」期間と定め、主に以下の取組みが実施されることとなっております。
(1)長時間労働削減に向けた重点監督の実施
相当の時間外労働時間が認められる事業場や、過労死等に係る労災請求がなされた事業場等を対象に、重点監督を実施。
法違反を是正しない事業場は、送検も視野に入れて対応(送検した場合には、企業名等を公表)。
(2)相談体制の強化
同年9月1日に開設した「労働条件相談ほっとライン」において、平日の夜間・休日に、無料電話相談を実施し、
また、同年11月1日に、職員が無料で電話相談を受け付ける「過重労働解消相談ダイヤル」を実施。
これらの電話相談で受け付けた情報を(1)の重点監督に活用。
以上の取組み内容からもわかるとおり、厚労省は、「働き方改革」について本格的に動き出しており、重点監督の対象となる事業場等は長時間労働の早急な改善を強く求められることになりそうです。
なお、一部の報道によれば、有休消化を企業に義務づけることも検討されるようなので、今後の展開には注意が必要と思われます。
<この記事に関するお問い合わせ先>
弁護士 佐 藤 康 行
TEL: 06−6202−3460
E-mail: y-sato@yglpc.com
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【YGLPC連続セミナー開催のお知らせ】
『改正労働契約法及び改正パートタイム労働法に対する実務対応』
当法人において、「YGLPC連続セミナー」を定期的に開催させていただいておりますが、第5回として、平成26年12月10日に、「改正労働契約法及び改正パートタイム労働法に対する実務対応」をテーマとして、当法人の米田秀実弁護士及び佐藤康行弁護士がセミナーを開催いたします。
上記セミナーの詳細・お申込みついては、以下よりお願いいたします。
お気軽にご参加ください。
https://www.yglpc.com/wp/news/20140114.html
<上記セミナーに関するお問い合わせ先>
弁護士 佐 藤 康 行
TEL: 06−6202−3460
E-mail: y-sato@yglpc.com
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・発行者:弁護士法人淀屋橋・山上合同
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