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YGLPCメールマガジン第36号(2015年5月29日発行)

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         弁護士法人淀屋橋・山上合同

 

        ★ YGLPCメールマガジン第36号 ★

 

  〜 労働法最前線

   〜違法な長時間労働で、企業名公表!?〜  その他2記事〜

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             今号の目次

           

1.労働法最前線 〜違法な長時間労働で、企業名公表!?〜

 

2.タイ・インドネシアの弁護士事情

 

3.YGLPC連続セミナー 〜債権法改正について〜 開催のお知らせ

 

過去のバックナンバー

 https://www.yglpc.com/wp/mailmag/index.html

 

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【労働法最前線〜違法な長時間労働で、企業名公表!?〜】

 

 厚生労働省が、違法な長時間労働抑制の取組みの一環として、平成27

年5月18日より、違法な長時間労働を繰り返している企業に対し、企業

名を公表する方針を打ち出しました。

 現段階では、全ての企業は対象とされておらず、「複数の都道府県に事業

場を有している企業」で、かつ、「中小企業に該当しないもの」が対象とな

ります。「中小企業」か否かは、中小企業基本法が定める区分により分けら

れます。

 例えば、製造業等であれば、資本金が3億円超であり、かつ、従業員数

が300人を超える企業が公表の対象になります。小売業であれば、資本

金が5000万円超で、かつ、従業員数が50人を超える企業が対象にな

ります。

 上記に該当する企業において、1年間に3つ以上の事業場において、

概ね10人以上の労働者に、労働基準法違反の事実と1ヶ月100時間以

上の時間外労働が認められる場合、都道府県労働局長から、早期是正の指

導がなされ、その事実の公表がなされることになります。

 もう少し具体的にご説明すると、以下のアないしウのいずれにも該当

する場合が、公表等の対象となります。

 ア 労働時間等に関する労働基準法の違反があり、かつ、1ヶ月間の

  時間外労働等が100時間を超えていること(「違法な長時間労働」)

 イ 1ヶ所の事業場において、10人以上の労働者又は、4分の1以上

  の労働者に、上記アの違法な長時間労働が認められること

 ウ 概ね1年程度の期間に3ヶ所以上の事業場で、上記アの違法な長時

  間労働が認められること

 公表の要件は厳格ですので、実際に対象となる企業はそれほど多くは無

いと考えられますが、性質上長時間労働を招き易い業種もありますので、

注意が必要です。今回の措置に留まらず、中小企業に対する残業代の特例

措置の廃止等労働基準法の改正も予定されているところであり、今後も長

時間労働に対する規制は強まっていくことが予想され、長時間労働の抑制

に取り組んでいく必要があるでしょう。

 

<この記事に関するお問い合わせ先>

 弁護士 白 石 浩 亮

 TEL:  06−6202−3324

 E-mail: k-shiraishi@yglpc.com

 

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【タイ・インドネシアの弁護士事情】

 

1 タイとインドネシアの現地法律事務所に勤務しましたので、2つの国

 の弁護士事情を比較してみたいと思います。

2 タイでは、タイの大学の法学部を卒業すれば、司法試験を経ることな

 く弁護士と名乗って法律に関するアドバイスをすることが許され、タイ

 の弁護士会に登録する必要もありません。一方、法廷で訴訟手続きを代

 理するためには、別途司法試験に合格しタイの弁護士会に登録する必要

 があります。したがって、訴訟等の紛争案件を扱わないタイの法律事務

 所には、この司法試験に受験し合格した弁護士が誰も在籍していない事

 務所も多く存在します。

3 タイの弁護士事情で興味深いのは、女性弁護士の方が多いことです。

 もともと、タイは女性社会で、男性も優秀になればなるほど同性愛者、

 トランスジェンダー等の率が高くなると言われていますが、弁護士業界

 ではその傾向が特に顕著です。例えば、タイの最高学府のチュラロンコ

 ン大学の法学部の8割は女性で、残り2割の男性のうち半数が同性愛者

 だそうです。日本では、女性弁護士の率はわずか約17%ですので、い

 かに、タイの女性弁護士が多いかが分かります。

4 一方、インドネシアは、弁護士になるためには、大学の法学部を卒業

 した後、司法試験に合格し弁護士会に登録をする必要があります。但し、

 インドネシアでの問題は、その司法試験を実施する弁護士会が乱立して

 いることです。インドネシアは、かつて、8つの弁護士会が乱立してい

 たところ、いったん、1つに統一されましたが、その後2つに分裂し、

 憲法裁判所の判決とその後の弁護士会間の覚書により再び1つに統一さ

 れたものの、最近、再び、新しい弁護士会が設立されており、司法試験

 が複数存在する状態となっています。一般的に、PERADIと呼ばれるイン

 ドネシア統一弁護士会の司法試験が最も難しいため、その弁護士会に登

 録をしている弁護士は信頼ができると言われています。

5 国により弁護士事情も大きく異なるため、現地弁護士に仕事を依頼す

 る場合には、その背景を十分に理解することが重要です。タイ法、イン

 ドネシア法等のアジア法に関連して何かご質問がありましたら、ご遠慮

 なくご相談下さい。

 

<この記事に関するお問い合わせ先>

 弁護士 大 林 良 寛

 TEL:  06−6202−7717

 E-mail: y-obayashi@yglpc.com

 

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【YGLPC連続セミナー 〜債権法改正について〜 開催のお知らせ】

 

 民法制定以来の社会・経済の変化への対応を図るため,現在,日常生活

や経済活動にかかわりの深い「契約」に関する規定を中心に見直しが行わ

れています。

 本連続セミナーでは,契約の中でも特に影響が大きいと思われるテーマ

をピックアップして,改正の概要及び今後の実務への影響について解説さ

せていただきます。

 

 第1回「民法債権法改正その1(賃貸借)」

 <問い合わせ先>

  弁護士 木 村 浩 之

  TEL:  06-6202-4162

  E-mail: h-kimura@yglpc.com

 

 第2回「民法債権法改正その2(売買及び契約解除)」

 <問い合わせ先>

  弁護士 山 下 遼 太 郎

  TEL:  06-6202-3481

  E-mail:ryotaro-yamashita@yglpc.com

 

 上記セミナーの詳細・お申込みついては,以下よりお願いいたします。

 お気軽にご参加ください。

 https://www.yglpc.com/wp/news/20150310.html

 

 

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・発行者:弁護士法人淀屋橋・山上合同

・発行日:2015年5月29日発行

 

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