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YGLPCメールマガジン第18号(2013年6月28日発行)

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         弁護士法人淀屋橋・山上合同

 

        ★ YGLPCメールマガジン第18号 ★

 

  〜有給休暇付与にあたり無効な解雇による不就労期間は出勤扱いに!

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            今号の目次

           

 1.労働法最前線

   有給休暇付与にあたり無効な解雇による不就労期間は出勤扱いに!

 

 2.米国とアジアの仲裁法についてのセミナーのご案内

 

 3.中国法についての勉強会のご案内

 

 過去のバックナンバー

 https://www.yglpc.com/wp/mailmag/index.html

 

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【労働法最前線】

有給休暇付与にあたり無効な解雇による不就労期間は出勤扱いに!

 

(1) 年次有給休暇付与の要件である出勤日数に、無効な解雇によって就労でき  

 なかった日を含めるべきかが争われた事案で、最高裁は、これを出勤日数に

 含めるべきとの初判断を示しました(最一判平成25年6月6日)。

 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83306&hanreiKbn=02

 

(2) 労働基準法39条1項及び2項は、有給休暇付与の要件として、一定期間

 (雇入れの日から6か月の継続勤務期間又はその後の各1年ごとの継続勤務

 期間)における出勤日数が全労働日の8割以上であることを要求しています。

 

  本事案では、解雇により2年余にわたり就労を拒まれた労働者が、解雇が

 無効であると主張して会社を相手に労働契約上の地位を有することの確認を

 求める訴訟を提起し、その勝訴判決が確定して復職した後に、有給休暇の取

 得を請求したところ、会社は、解雇によって就労していなかった期間は労働

 基準法39条1項及び2項の「全労働日」に含まれず、出勤日数にも算入され

 ないため、有給休暇付与の要件を満たしていないとして、有給休暇取得を認 

 めませんでした。

 

  そのため、労働者が、会社に対して、有給休暇付与の要件を満たしている 

 と主張して、年次有給休暇権を有することの確認並びに未払賃金等の支払を

 求める訴訟を提起したところ、一審・二審とも、労働者側の主張を認めまし 

 たが、会社が上告していました。

 

(3) 最高裁は、労働基準法39条1項及び2項が前年度の出勤日数が全労働日

 の8割以上であることを要求しているのは、「労働者の責めに帰すべき事由に

 よる欠勤率が特に高い者をその対象から除外する趣旨」であるとして、「無効

 な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたた

 めに就労することができなかった日は、労働者の責めに帰すべき事由による

 とはいえない不就労日であり、このような日は使用者の責めに帰すべき事由

 による不就労日であっても当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入する

 のが相当でなく全労働日から除かれるべきものとはいえないから、法39条1

 項及び2項における出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきもの

 として全労働日に含まれるものというべきである。」と判示して会社の上告を

 棄却しました。

 

(4) 最高裁の判断は妥当なものといえ、特に注目すべき内容というわけではあ

 りませんが、労働者の解雇が事後的に無効と判断された場合に生じる問題の

 一例としてご紹介させていただきました。

 

  このような問題を発生させないためにも、安易な解雇を避けるのはもちろ

 ん、日々の労務管理は慎重に行っていただければと思います。

 

  ご不明な点があれば何なりと当事務所にご相談ください。

 

<この記事に関するお問い合わせ先>

  弁護士 吉田 豪

 TEL:  06-6202-3389

 E-mail: t-yoshida@yglpc.com

 

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【米国とアジアの仲裁法についてのセミナーのご案内】

 

 当法人では、米国法律事務所のJenner & Block LLPのBrent Caslin弁護士

らと共催で、米国仲裁とアジア仲裁の最新状況に関するセミナーを下記のとお

り、開催いたします。多数の皆様のご参加をお待ちしております。

 

Jenner & Block LLPのウェブサイト

http://jenner.com/

 

                 記

 

【日 程】 2013年7月9日(火)17:30〜19:30

【場 所】当法人大阪事務所

     大阪市中央区北浜3丁目6番13号 日土地淀屋橋ビル(受付6階)

【参加費】 無料

【内 容】 ・米国仲裁制度の最新事情(Jenner & Block)

      ・アジアでの仲裁における若干の留意点

      (日本、中国、ベトナム等を中心に・・・藤本一郎)

【言 語】 英語(一部)及び日本語

【定 員】 ご参加いただける人数に限りがございます。

      先着順とさせていただきますので、ご参加をご希望の場合には、

      事前に次のお問い合わせ先にご連絡をいただけますようお願い申

           し上げます。定員に達した場合にはお断りさせていただく場合が

      ございますので、ご了承ください。

 

<この記事に関するお問い合わせ先>

 弁護士 藤本一郎

 TEL:  06-6202-9455

 E-mai: i-fujimoto@yglpc.com

 

 弁護士 雨宮沙耶花

 TEL:  06-6202-0652

 E-mail: s-amemiya@yglpc.com

 

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【中国法についての勉強会のご案内】

 

 当法人では、概ね2か月に1回程度、主として中国人留学生向けの日本・中

国法の勉強会を開催しておりますが、一般に公開しておりますので、この機に

ご案内させて頂きます。下記は次回の勉強会の予定です。

 

                 記

【日 程】2013年7月31日(水)18:30〜20:30

【場 所】当法人大阪事務所

     大阪市中央区北浜3丁目6番13号 日土地淀屋橋ビル(受付6階)

【参加費】 無料

【内 容】 ・中国と他国との倒産法制における否認権の異同

      (神戸大学中国人留学生からの発表)

      ・近時の実務上のトピックに関する発表

      (当法人弁護士からの発表)

【言 語】 日本語

【定 員】 ご参加いただける人数に限りがございます。

      先着順とさせていただきますので、ご参加をご希望の場合には、

      事前に次のお問い合わせ先にご連絡をいただけますようお願い申

           し上げます。定員に達した場合にはお断りさせていただく場合が

      ございますので、ご了承ください。

【その他】 任意の懇親会を予定しております(学生無料)。

 

<この記事に関するお問い合わせ先>

 弁護士 藤本一郎

 TEL:  06-6202-9455

 E-mai: i-fujimoto@yglpc.com

 

 弁護士 仲井 晃

 TEL:  06-6202-3474

 E-mail: a-nakai@yglpc.com

 

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・発行者:弁護士法人淀屋橋・山上合同

・発行日:2013年6月28日発行

 

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