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Q14: (借地権売買)私の家の敷地は昔から借地ですが、今般、家を売却したいと思います。地主と協議しないで売却することは可能でしょうか。地主に承諾料を支払わねばならない場合、どの程度が相場でしょうか。
  Q&A > 不動産取引
A 14

  土地を賃借して借地人が建物を築造しているケースで、借地人が借地上建物を借地権ごと売却しようということについてのお尋ねです。
借地上建物を売却する場合、建物の譲渡の際、借地権も従たる権利として譲渡されることになります。借地権だけ残して建物のみが譲渡されることは原則としてなく、土地利用権のない建物を取得しても取引上誰も望まないことによります。

建物は、借地人の所有ですので、地主との間の賃貸借契約で建物の譲渡禁止特約を結んでいない限り、建物を地主の了解なく譲渡することは可能ですが、それは前記のとおり借地権の譲渡も伴いますので、結局のところ、その譲渡に地主の了解を必要とすることになります。
地主の承諾なく、借地権(賃借権)を譲渡すると、地主は原則として借地契約(賃貸借契約)を即時解除することができます。賃借権譲渡は地主との信頼関係を破壊する最たるものだからです。しかし、他方、借家権と異なり、借地権は、借地上に借地人が建物を所有しているため、借地借家法により保護された、簡単には終了しない強い権利です。財産的価値も高く、借地権付建物を譲渡する取引上の必要性も高いことから、借地借家法は、借地権譲渡について、地主の承諾なくとも、裁判所が地主の承諾に代替する許可を借地人に与えて譲渡することを認めています。

従いまして、本問のケースでは、借地人は、地主の承諾を得られなくとも、借地借家法の定める地主の承諾に代わる許可を、借地非訟手続という簡単な裁判手続を経ることによって取得し、借地権付建物を譲渡することが可能です。
しかし、裁判所は無条件で地主の承諾に代わる許可を出してくれるわけではありません。借地人が譲渡したい相手が借地人と同様にしっかりと地代を支払っていける能力があり、誠実な者でなければなりません。また、新しい借地人との借地契約も適切な内容でなければなりませんので、借地期間、地代などの賃借条件を裁判所は定めることができます。さらに、裁判所は、原則として、借地人が地主に支払うべき承諾料(財産的給付の1つ)を決定します。承諾料は、借地人と譲受人との間の契約で、地主の承諾が得られたときに譲受人が支払う売買代金から充当されるのが通常でしょうが、この承諾料が支払えないのなら、借地権譲渡はあきらめねばなりません。

他方、地主は借地非訟手続で、ただ裁判の進行を眺めているわけではありません。今まで賃貸してきた借地人と違うものが新たに借地人として現れ、裁判所の許可によって強制的に新借地人と借地契約関係を保持していかねばならなくなるのですから、いくら承諾料を支払ってもらったり、借地期間や地代で配慮してもらっても、絶対に新借地人との借地契約はしたくないという場合がありえます。この場合、地主は、裁判所が定めるときまでに、借地上の建物を買い受けたいという意思を表示することができ、この権利が行使されたときは、借地人が第三者にいくら譲渡したいと思っていても、地主に優先的に売却しなければならなくなります。その売買代金は裁判所の鑑定委員会が決定してくれ、地主はその金額で借地権付建物を優先的に譲り受けることができます。

借地人にとっても、第三者に売ることはできませんでしたが、地主に売却することによって、借地権及び借地上建物に対する投下資本の回収はできるのです。ただ、借地人は、借地非訟手続に先立って、地主の承諾が得られることを条件に第三者との間で借地権付建物譲渡の契約を締結しているのが通常ですが、この契約には地主が優先的買受権を行使したため、当該第三者には売却できないことになるので、その場合の経済的処理について予め当該第三者ときちんと取り決めておくことが肝要です。

承諾料は明確な決まりはないのですが、借地権価格の数パーセントとされている例が多く見受けられます。
なお、借地非訟手続は最低数ヶ月を要しますので、借地人としてもその程度、気長に待ってくれる譲受希望者を探さねばなりません。これがかなりハードですが、見つけえた場合、地主としては、今度は、借地権譲渡の許可がほぼ確実に発せられる状況からすれば、自ら買い受けてもよいという気持ちにもなりうることが多いですので、借地非訟手続にもって行かなくても、当事者間で合意に達する可能性が高くなります。

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