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Q5: (公簿取引と担保責任)売買契約の時には実測をしていなかったのでわからなかったのですが、今般、隣地と境界確認をしなければならなかったので測量をしたところ、現実には不動産登記簿上の面積と比べて少ないことがわかりました。「公簿取引」ということでしたが、売主に何か言えるでしょうか。
  Q&A > 不動産取引
A 5

   土地は、不動産登記簿謄本に記載されている地積と実際の面積とが異なっていることが少なくありません。最近は測量技術の進歩もあり、実測面積と一致するようになってきましたが、古い時代の登記は「縄延び」(実測が地積より多い場合)「縄縮み」(実測が地積より少ない場合)といって違いが生じています。
このような土地を売買する場合、縄延び、縄縮みがあり得ることを意識して、取引がなされます。まず、「公簿売買」とは、土地登記簿上の地積により売買代金額を確定し、以後、仮にその後実測して違いが判明したとしても、売買代金額を変更しない取引方法です。他方、「実測売買」とは契約締結時に実際の面積を測量し、その面積に基づいた金額によって売買する取引方法です。また、暫定的に登記簿の地積により売買を行い、後に実測した面積との差を清算するという取引方法もとられていますが、実務上はこれも最終的には実測に基づいた面積で代金を支払う形になるので、実測売買に含まれると解されています。

一般に山林や農地のような広大な土地の売買はほとんど公簿売買によって行われています。測量費用が高くつくからです。しかし、地域によっては宅地売買においても公簿方式をとっている例も多く見受けられます
売買契約書に、「公簿取引とする」と明示され、「後日実測の結果地積に過不足が生じたとしても清算しない」と約定されている場合には、売買当事者は相手方に対してその過不足を問題とすることはできず、本件の場合、買主が代金を支払いすぎたといって売主に減額とか清算を申し入れることはできません。この点、仲介業者の説明や契約書の中味に注意しておく必要があります。
逆に、実測取引の場合は、清算条項(「後日実測の結果地積に過不足が生じた場合は単位面積1平方メートル当たり金○○円をもって売買代金の精算を行う」という条項など)に従って、本件の場合、減額、清算を行うことになります。

このような公簿売買・実測売買の区別とか清算条項とかが明確に定められていなかった場合には、どう処理するのでしょうか。
「公簿取引」という文言や「現状有姿」という文言が契約書のどこかで取り決められていたり、土地建物一括で売買代金が決定された経過であったり、投機目的の売買でそれほど実測面積との差を重視していなかったりした場合には、数量、つまり土地が一定の面積を有することに主眼をおいて、その数量を基準にして代金を定めた「数量指示売買」にはあたらないと考えられています。つまりこの場合には、面積の過不足をもってしては、代金増減額や清算を求めていくことはできないと考えられています。

他方、土地の分譲にあたって、分譲する不動産業者が坪単価と各区画の面積とを表示し、坪単価を基準にして各区画の分譲価格(売買代金)を定めているような場合には、「数量指示売買」と捉えることができ、代金増減額や清算を求めていくことができます。また、山林売買で到底測量はできないような広さで、かつ、簡単に広さの見極めができない場合に、売主がそれでも最低限公簿面積以上はあると確約し、買主もそれを信じた場合には、買主は公簿面積に不足する部分について代金減額、清算を求めて行くことができるでしょう。
売主側に不足であることを知っていてわざと言わなかったような場合等には、契約の無効取消や契約解除や損害賠償請求を行っていける場合があります。

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