大阪市内に本社を置く中小企業衣料メーカーA社のB社長は、独自衣料ブランド「YGLPC」について深く悩み眠れない日を送っていた。この「YGLPC」は、A社がこの不景気を乗り切る方策として社員からアイデアを募り企画・製品化したものであり、社運を賭けて約半年前に立ち上げた自社衣料ブランドであった。そして、「YGLPC」は、そのシンプルかつ斬新なデザインがうけたのか、瞬く間に日本中の10代後半から20代前半の若者の間で人気商品となり、さらにマスコミにも多く取り上げられたことから、ここ最近まで確実に売上を伸ばし商品の生産が追いつかない状態であった。しかし、ここ最近になって、「YGLPC」の売上が落ち込むようになるとともにA社に対して「YGLPC」の品質についての苦情が多く寄せられるようになった。A社は「YGLPC」の品質管理を徹底していたことから、このような動向を不信に思い社内に調査機関を設けて調査したところ、同じ大阪市内の衣料製造業者C社が「YGLPC」のデザインとロゴを完全に模倣し、かつ、「YGLPC」というブランド名の入った品質の粗悪な製品を大量に製造し、それをあたかも真正な「YGLPC」ブランドの製品であるかのようにして安価な価格で販売していることが判明した。B社長は、かかる事実を知って愕然とした。というのも「YGLPC」は社員が総力をあげてこの不況を乗り切るために生み出したブランドであり、社員全員の誇りと自信そのものになっていたからである。そこで、B社長は「YGLPC」のブランドを守るため、なんとしてもC社による偽「YGLPC」製品の製造・販売をすぐにやめさせなければならないと思った。しかし、B社長は法律の知識が全くといっていいほどなかったため、いかなる法的措置をとるべきなのかを顧問先のD弁護士に相談することにした。B社長は、D弁護士の事務所を訪れ今までのいきさつを話した上で、「何とかして直ちにC社による偽ブランド品の製造・販売を止めさせてほしい。さらに、わが社が被った損害の賠償もしたいのですが、どのような方法があるのでしょうか。あと、当社は『YGLPC』のブランドをまだ商標登録していないのですがそれでも保護されるのでしょうか。」とD弁護士に相談した。